
カレン・バラッド(Karen Barad)
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カレン・バラッド(Karen Michelle Barad、1956年4月29日 - )は、アメリカ合衆国のフェミニスト理論家、物理学者である。新しい物質主義(英語: New materialism)の代表的論者の一人であり、「エージェンシャル・リアリズム(agential realism)」の提唱者として知られている。 経歴 現在、カリフォルニア大学サンタクルーズ校のフェミニズム、哲学、および意識の歴史の教授を務めている。著書『宇宙の途上で出会う:量子物理学からみる物質と意味のもつれ』を刊行している。バラッドの研究分野には、フェミニスト理論、物理学、20世紀の大陸哲学、認識論、存在論、物理学の哲学、科学の文化研究、そしてフェミニスト科学論が含まれる。 ニューヨーク州立大学セントニーローク校で理論物理学の博士号を取得。博士論文では、格子ゲージ理論の枠組みの中で、クォークやその他のフェルミ粒子の性質を定量化するための計算手法を提示した。 フェミニスト学術誌「Catalyst: Feminism, Theory, Technoscience」と「Signs: Journal of Women in Culture and Society」の諮問委員会メンバーを務めている。 思想・理論 エージェンシャル・リアリズム エージェンシャル・リアリズムとは、事物ではなく現象こそが存在の基本単位であるとする存在論であり、あらゆる存在は現象という「内部作用しあう『諸々のエージェンシー』の存在論的分離不可能性」によって構成されるという理論である。 エージェンシャル・リアリズムは「量子力学においてミクロな世界を観察する際に起こる現象を、哲学的に考察したもの」であり、「測定される対象」と「人間による記述」を切り離すことが不可能であると考える立場である。これは「私たちが『現実』と呼んでいるものは互いに作用しあう存在の動的可変的なネットワークであると考える『関係的存在論』」の一種である。 エージェンシャル・リアリズムは、ニールス・ボーアの量子論解釈と、ジュディス・バトラーやミシェル・フーコーのポスト構造主義思想を統合する理論である。物理学、生物学、哲学、科学論、社会理論、教育学、経営学、フェミニズム、クィア理論など、さまざまな領域を横断する理論であり、幅広い分野で参照されている。